小 澤 の 不 等 式

 1927年にハイゼンベルクは、位置と運動量のような一組の物理量は測定によって同時に正確に決められないという不確定性原理を発見し、その不正確さの関係を表わす不確定性関係と呼ばれる不等式を導いた。この不等式は、長年、量子力学の根本原理とされてきたが、その正当性の根拠には、測定の不正確さと無関係なゆらぎに関する不等式との混同があった。近年の研究で、この不等式が成立しない場合があることが明らかになり、どのような場合にも成り立つ新しい不等式(小澤の不等式)が導かれた。

                ε(q)η(p) + σ(q)η(p) + ε(q)σ(p) ≧ h/4π

2012年には、その実験的検証に成功し、ハイゼンベルクの不確定性原理の従来の定式化が正しくなかったことが広く知られるに至った。

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