品川 公成
折り紙の幾何学(1)では、(2n+1)×(2n+1)のマス目を折る新しい方法を紹介します。
折り紙の幾何学(2)では、(1)の方法を応用して等辺八角形を折り、正八角形からのゆがみを調べます。
折り紙の幾何学(3)(改訂版)では、(1)の方法を拡張してどのようなマス目の大きさが作れるかを調べます。
品川折りとピタゴラス数では、(1)の折り方と三平方の定理との関連を調べます。
品川 公成
三角形の中心点とオイラー線 (品川係数)
三角形の重心と外心を通る、直線をオイラー線と呼びます。なぜ、垂心を含む多くの中心点がオイラー線上にのるのか、また、これらの中心点間の距離がつねに整数比で表せるのかについて、調べます。
三角形の中心点とオイラー座標 (品川オイラー点)
「三角形の中心点とオイラー線」の続編です。オイラー座標により、従来の面積座標では扱えなかったinfinite pointsが通常の中心点と同様に扱えることなどを紹介します。
三角形の中心点間の距離 (infinite points)
「三角形の中心点とオイラー座標」の続編です。オイラー線を含めた種々の直線上のinfinite pointsのオイラー座標から、中心点の間の距離を求める方法を解説します。
髙橋 眞映
『数学の研究には美意識が重要である』
美意識とは、「素直に受け入れる心の優しさ」であると思っています。これは良く言われる「花が綺麗なのではなく、自分の心が綺麗なのである」と言う訳です。
それ故特に数学をやる上では、殊更そうではないかと思います。
(国際数理科学協会会報 No.70 / 2010.7 寄稿)
髙橋 眞映
Since I encountered the Kantorovich inequality 22 years ago, I have been somehow fascinated by inequalities.
I shall discuss the inequalities I have been involved with so far, and then would like to address the fundamental questions of what an inequality is, what the self is, and so on.
(国際数理科学協会会報 No.105 / 2018.1 寄稿)
3次元代数の分類は、すでに19世紀の数学者が始めています。彼らの真理を見抜く直観力には驚かされます。
しかし、彼らの結果は完全とはいえず、証明は厳密ではありません。我々は現代的、具体的、厳密な分類を与えました。
体 K 上の(非結合的)代数 A で、すべての元 x が x^2 = 0 を満たすものを Zeropotent 代数と呼びます。
複素数体上の 3次元 zeropotent 代数は完全に分類され、同型を除き10のタイプがあります。
表紙ページのものはその一つで、その幾何学的、物理的意味は現時点では不明です。
Zeropotent 代数の分類で現れた、行列のある合同関係に付随する不思議な不変量とは?
最近、数式処理技術を支える数学として、計算代数という研究分野が盛んです。代数を計算という立場から見直すといろいろ面白いことがあります。
群などの代数系を、生成系と関係で定義すると、定義された代数系における2元の同等性を判定という基本問題(語の問題)が生じます。
語の問題を解く強力な方法に書換えシステムがあります。次の一見簡単な問題を考えてください。
例1.
7X5-6X4-X3-7X-7 と 5X4+6X3+8X2 +9 の最大公約数をユークリッドの互除法を用いて、手で計算できますか?
例2.
a と b からなる有限の長さの文字列(a, b 上の語という)に部分文字列 aabb が現れれば、それを bbbaaa に置き換えると新しい文字列が得られます。
どんな文字列から始めても、この操作を無限には繰り返せないことを証明できますか?